相場 2009 5 30
3月中旬から始まった株式市場の上げ相場に関して、
プロでも、「バスに乗り遅れた」という話を聞きます。
確かに、そうなるのも自然だと思います。
経済指標は悪いものばかり、決算は赤字ばかり、
その上、本屋に行けば、大恐慌と名のつく本ばかり、あふれています。
「これで株価が上昇するなんて、信じられない」と思う方が、自然でしょう。
しかし、相場というものは、いつも「あまのじゃく」です。
信用売りをしていた連中が、
「いくら売り込んでも、あまり下がらなくなった。
それでは、今度は、信用買いだ」という理由でも、株価は上昇します。
数年前、「たとえ、株価が暴落しても、売り規制は、止めるべきである。
暴落の時、最初に現れる買い手とは、信用売りの買戻しである」と書いたと思います。
信用売りをしている連中の恐怖感とは、いつ株価が反転上昇するかということです。
急落後、反転上昇する場合、株価というものは、
押し目らしい押し目もなく、急騰を続けます。
だから、売り手にとって、常に恐怖感はあると思います。
こういう話は、先物市場でも聞きます。
日中の動きで、
「売り込んだが、下値が固かった。だから、今度は買い上がる」という具合です。
それに、金融危機で減少したと言われていますが、
世界には、依然として、巨額の投機資金が存在します。
こうした、行き場のない巨額の資金が、
投資先を求めて、さまよっていると言えるかもしれません。
いずれにせよ、このような投資環境の場合、
経済指標を読むより、潮目を読む方が重要となります。
ロボット 2009 2 28
一般の方は、「この度の金融危機で、株価が暴落し、
投資家は、全員、大損をした」と考えるでしょう。
はたして、そうでしょうか。
株価暴落が激しかった2008年後半の日足チャートを見てみましょう。
ここでは、日経平均株価の日足チャートを使います。
よく見ると、25日移動平均線から、大きく深押しすると、
日経平均株価が大きく反発し、
逆に、25日移動平均線に達すると、
日経平均株価が急落するという動きになっています。
これは、一定のリズムのような間隔で起きています。
つまり、25日移動平均線から大きく下に離れた時、「買い建て」、
25日移動平均線に接した時、「売り建て」をすれば、
利益が出ることになります。
これを見て、「株式投資は、意外に簡単だ」と思った人は、素人です。
何しろ、株価が急落する時は、相場全体が、激しい恐怖感に襲われます。
まるで、ジェットコースターで、これから急落が始まるような感じです。
ジェットコースターならば、急落の後、急上昇がありますが、
株価の場合は、急落の後、戻ってこない可能性があります。
そういうわけで、投資家は、
株価が、いくら25日移動平均線から大きく下に離れたとしても、
恐怖心で、買い建てをする気力がなくなっているのです。
「それでは、やはり、この度の金融危機で、
誰も儲かっていないのではないか」と思った人も、素人です。
恐怖心を持たないならば、相場に勝てます。
「いったい、恐怖心を持たない人なんて、いるのか」と思うでしょうが、
実は、存在します。
それは、ロボットです。
正確に言えば、株式売買ロボットです。
ロボットには、恐怖心はありません。
プログラムされたとおりに株式を売買します。
25日移動平均線から大きく下に離れた時、買い建て、
25日移動平均線から大きく上に離れた時、
あるいは、25日移動平均線を超えられなかった時、売り建てをします。
問題は、こうしたロボットが、相場に参戦すると、
相場の振幅が大きくなる場合があります。
これは、ロボットが作る「ロボット相場」でしょうか。